タンパク質を効率よく摂取するためのカギ~アミノ酸スコアとは?
こんにちは。赤羽駅東口のパーソナルジムWELBEXです。
私たちのカラダづくりにかかせないタンパク質は、たくさんのアミノ酸が結合してできた栄養素です。
そして、その組み合わせによって、さまざまな種類のタンパク質がつくられています。
今回の記事では、そのタンパク質を効率よく摂取する上で重要な数値である「アミノ酸スコア」について解説します。
そもそもアミノ酸とは何なのか
私たちの筋肉や臓器、髪の毛や爪は全てタンパク質を材料としています。
そのため、タンパク質は生命活動の維持に欠かせない栄養素で、不足すればさまざまな不調を招きます。
そして、そのタンパク質を構成しているのが「アミノ酸」です。
20種類のアミノ酸がいろいろな含有量で結合し、多種多様なタンパク質をつくっているのです。
アミノ酸の種類
前述の通りアミノ酸は20種類あり、体内で合成されず食事で摂取しなければならない「必須アミノ酸」と、それ以外の「非必須アミノ酸」に分けられます。
■必須アミノ酸
・バリン
・ロイシン
・イソロイシン
・メチオニン
・リジン
・フェニルアラニン
・スレオニン
・トリプトファン
・ヒスチジン
■非必須アミノ酸
・グリシン
・アラニン
・セリン
・シスチン
・チロシン
・アスパラギン酸
・グルタミン酸
・プロリン
・アルギニン
このうち、必須アミノ酸が食品中に含むバランスを示した数値を「アミノ酸スコア」といい、スコアが100に近いほど体のタンパク質を合成する上で効率が良いことがわかっています。
そのため、それらは「良質タンパク質」と呼ばれています。
必須アミノ酸の主なはたらき
◆バリン・ロイシン・イソロイシン
この3つは、合わせてBCAA(Branched Chain Amino Acid:分岐鎖アミノ酸)と呼ばれています。
筋肉を動かすエネルギーになる他、筋タンパク質の分解を防いで疲労の軽減をサポートします。
運動中は、このBCAAの血中濃度を高めることでトレーニング効率が良くなるとされ、サプリメントとしても販売されています。
◆メチオニン
硫黄を含んだ含硫アミノ酸で、かゆみなどのアレルギー症状を引き起こすヒスタミンの血中濃度を下げるはたらきがあります。
また、肝機能を促したり、血中コレステロールをコントロールしたりする役割もあります。
鶏肉・牛肉などの肉類、まぐろ・かつおなどの魚介類、牛乳・チーズなどの乳製品などに広く含まれています。
◆リジン
タンパク質中に2~10%含まれる必須アミノ酸で、体の組織の修復に関わり、ホルモンや酵素などもつくります。
ブドウ糖の代謝をサポートするため、疲労回復や集中力アップに効果があるといわれています。
米や小麦などの穀類に不足しがちなので、食事が炭水化物に偏りがちな方は意識して摂取しましょう。
◆フェニルアラニン
神経伝達物質の素となる必須アミノ酸です。
体内でチロシンとなって、神経伝達ホルモンのドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリンが生成されます。
また、血圧を上昇させる作用もあります。
◆スレオニン
最後に発見された必須アミノ酸で、肝臓に脂肪が蓄積するのを防いだり、成長を促したりする作用があります。
不足すると脂肪肝や食欲不振、体重減少などを引き起こすことがあります。
また、穀物の栄養強化にも用いられます。
◆トリプトファン
トリプトファンは、幸せホルモンとも呼ばれる「セロトニン」の材料になります。
また、セロトニンは夜になると睡眠ホルモン「メラトニン」に変化するため、トリプトファンが不足すると睡眠の質の低下・不眠などになる可能性があります。
トリプトファンは味噌や豆腐などの大豆食品、牛乳やチーズなどの乳製品などに多く含まれているので、うまく活用して摂取しましょう。
◆ヒスチジン
ヒスチジンは、子どもには合成できないため幼児にのみ必須とされていましたが、その後の調査により成人とっても必須であるとされました。
体内でヒスタミンになり、胃酸の分泌や神経機能にも関わります。
また、食欲を抑えて脂肪燃焼をサポートする作用もあるといわれています。
アミノ酸スコアとは
アミノ酸スコアとは、食品に含まれる9つの必須アミノ酸のバランスを示す値のことです。
紹介した必須アミノ酸にはそれぞれ必要量が提唱されており、アミノ酸スコアが高ければ高いほど「良質タンパク質」を含む食品だと考えられます。
アミノ酸スコアは、9枚の板でできた「桶の理論」で説明されることがあります。
必須アミノ酸9種類を1つずつ桶の板に見立てたとき、その含有量が高ければ桶の中にはたくさんの水、つまりアミノ酸スコアがたまります。
しかし、9種類のうち1つでも含有量が少ないとそこから水が漏れ出してしまうので、アミノ酸スコアは低くなってしまうことに。
つまり、タンパク質を効率よく摂取するためには9種類の必須アミノ酸のバランスが重要なのです。
アミノ酸バランスの良い食事を摂るために
■主な食品のアミノ酸スコア
・鶏卵…100
・牛乳…100
・牛肉…100
・鶏肉…100
・豚肉…100
・あじ…100
・いわし…100
・鮭…100
・まぐろ…100
・精白米…61
・パン…44
・じゃがいも…73
・とうもろこし…31
※数値は厚生労働省による特定保健指導の実践定期指導実施者育成プログラム「食生活改善指導担当者研修テキスト」参照
ご覧の通り、アミノ酸スコアは鶏卵や牛乳、肉・魚などの動物性食品の方が高くなる傾向にあります。
しかし、アミノ酸スコアが高い食品ばかり食べていると栄養バランスが乱れたり、カロリーオーバーになったりしがちです。
そのため、いろいろな食品をバランスよく組み合わせることでアミノ酸のバランスを高められれば、効率よくタンパク質を補給することができます。
例えば、精白米はアミノ酸スコアが低くなっていますが、鮭と一緒に食べることでアミノ酸のバランスを整えることができるでしょう。
まとめ
アミノ酸スコアの高い食品を知っておけば、効率よくタンパク質を摂取することができます。
しかし、特定の食品に頼ってばかりでは栄養バランスは乱れがちになります。
いろいろな食品からバランスよくアミノ酸を摂取すれば、体作りもスムーズに進められます。
ぜひ、この記事を参考に、効率よくタンパク質を摂取してくださいね。